(SivanS在籍時代)
FCAジャパンのブランド売れ行きが好調なため、8年ぶりに東京モーターショーへ出展する事になり、会場でのブース作成から案内、会場でのイベントとインターネット配信・現場の警備の管理まで、5ブランドのブースすべての企画と運営を、ブランドエージェンシーとして請けました。
当時、私はイタリア車2ブランド(FIATではデザイナー兼システム開発者、ABARTHではアートディレクター)を担当し、さらにイタリア車のAlfa Romeo・アメリカ車のJeepとChryslerを加えた全5ブランドのデジタルプロデューサー兼マーケターとして所属しておりました。ブランド毎に、実務の内容が全く異なりつつも、全て並走して対応しているため、個性が異なる全ブランドの方針や方向性も熟慮しています。
そこで、当日までの期間を逆算して、通常業務とは別に以下の内容を進めます。
- 5ブース毎でデザインも紹介も全く異なる環境でも統一したUI設計で操作がしやすいいiPadアプリを開発
- iPadアプリと連携させるイベント専用サイトを立ち上げる
- イベント会場で開催する演出をどのように世界へ発信するか
- 会場でアプリ動作に問題が発生した場合のリスクヘッジを用意しつつ、短時間で復旧する環境を整備する
<出展の狙い>
世界で人気を博す、オープンカーの国内販売決定の発表を行う。ホームページ上では東京モーターショー開催までの期間に応じて段階的に公開情報を増やし、当日会場の会場ブースで行うイベント内で大々的に発表を行う。そのためのティザーサイトの開発を行う。
また、ファンが乗り換えを検討してくれるような企画に留まらず、新規のファンを獲得して販売シェアを増やすための入り口とする事を目標とする。来場者へ自宅でも5ブランドの車をたのしめるスマートフォンアプリ(Android/iOS)VRアプリを用意し、閉幕後も自由に展示車輌や新作の限定モデルをじっくり観れるようにし、いつでも余韻に浸っていただけるようにし、しっかりとフォローできる環境にした。
<実際に開発したもの>
社内に通信不要のデジタルサイネージを組み上げられる人が他にいなかったため、すべて自作。安定した動作とセキュリティもしっかりとしているApple社のiPadを採用し、他のアプリに切り替えができないようにシステム上で制限を加え(単一作動し、他を起動できないようにロックする)る事を決めつつ、当時iPhoneとiPadを使用していなかった私は動作確認を取れないまま開発をスタートする。イベント開催3日前に端末を入手し、リアルタイムで調整を続ける。
<開幕寸前>
FCAブースにてイベントを開催し、その様子をリアルタイム配信を行う予定。展示ブースの設営とともに通信の電波が弱い場所なので、通信の帯域の確保と配信にすべて費やせるよう、配信させるシステムにおいても極力無駄な通信を行わないよう、制御する。
<開幕中>
現場では通信環境が想像以上に乏しいため、通信不要の展示用アプリが活きる。アプリに触れるたのしみから、来場者自身で好きな車種の情報を収集できるようにし、会場スタッフの案内の負担を大幅に軽減。
<競合調査>
8年振りの出展に加え、所属する会社が創業3年目のため、TOYOTAやHONDAなど、毎回出展を続ける競合他社の確認を行う。競合が使用するシステムは、自身で組んだプログラムと同じ仕様で動作することを確認。大手と同一のシステムを採用しているため、機能は最大限のものを取り込めていることを確認済み。コンテンツ、操作性、安定性のすべてにおいて、対抗できている。
<ブランディング>
海外ではFIATブランドで販売するオープンカーを、日本国内ではABARTHブランドで発売する。高いパフォーマンスがABARTHに適しており、日本でのABARTHの認知を高める事に寄与するよう狙った。実際に発売後 は、限定台数を増産した。
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